済南市博物館の楽舞雑技陶俑が見たいの巻

あの世で上演!
パフォーマンスチーム

 山東省済南市で1969年に発見された陶製の副葬品、明器。長方形の板の上で、21体の人形が雑技と楽舞を合わせたパフォーマンスを行っている。中央には歌い踊り逆立ちをする人、後ろには伴奏を行う楽団、左右には冠を付けた人々が並ぶ充実ぶり。前漢後期には、複数の人形をセットにして全体の情景を描写する明器が増えたが、この明器は特に多くの人形を組み合わせて作られている。
 所蔵するのは、「済南三大名勝」として名高い千佛山のほとりに位置する済南市博物館。楽舞雑技陶俑と同時に出土した、鼎を背負う鳩をかたどった焼き物「彩絵陶負鼎鳩」も収蔵している。

新疆地質鉱産博物館の新疆隕石が見たいの巻

輝く銀の牛
中国一大きな隕石

 新疆ウイグル自治区アルタイ地区の東部で1898年に発見された隕石。総重量約30tで、現在確認されている隕石の中では中国一、世界でも指折りの大きさ。成分は主に鉄とニッケルで、少量のコバルトなども含む。日に当たると黒く輝くことから、発見当時は「銀牛」と呼ばれ祀られていたという。また発見場所は「銀牛溝」と名付けられた。同自治区では11年にも25tの巨大隕石が発見されている。
 展示するのは、30年以上の歴史を持つ新疆地質鉱産博物館。貴州省の古生物専門家から贈られたケイチョウサウルスを含む動植物の化石や鉱物など、1万2000点を所蔵している。

濱海新区博物館の清代銅熨斗が見たいの巻

炭で熱する
古式アイロン

 清代に作られた、銅製のアイロン。上部の蓋を開き、中に熱した炭を入れると、層を通して底部に熱が伝わる。上に付いたニワトリの飾りは、蓋を留めるフックの役割を果たす。先のとがった、現代のアイロンにも通じるフォルムが親しみやすい。これより古い時代の同様のアイテムは柄杓の形が多く、唐代以前は熱源にお湯を用いた。さらに遡って商代では、刑罰に使われたとされている。
 所蔵するのは、天津市濱海新区の河濱公園脇に位置する濱海新区博物館。「塘沽博物館」の別称でも知られる。07年に設立され、白亜紀の化石のほか獅子像、花瓶など清代の文物を多く展示している。

合浦漢代文化博物館の東漢馬座陶灯が見たいの巻

眼光に迫力あり
マッチョな馬ライト

 広西チワン族自治区北海市合浦県の古墓から99年に出土した、陶製の灯ろう。しゃがみこんだ獣の背中から、火を灯す台座が伸びている。面長な輪郭や鼻の形から馬ということになっているが、真っすぐ前を向く鋭い眼が肉食獣のようにも見える。筋肉隆々な上半身と、なぜかぶっているのかわからない小さな帽子が印象的だ。実際に使われたかどうかは不明。
 所蔵するのは、漢代の墓が多数発見されている合浦県に位置する合浦漢代文化博物館。漢代の文物をメインに展示するという、珍しいタイプの施設だ。敷地内にも漢代の墓が2つあり、内部の石室を見学することができる。

寧夏博物館の石雕力士志文支座が見たいの巻

西夏王朝の力持ち
謎に包まれた石台座

 寧夏回族自治区銀川市の山のふもとに位置する西夏王朝の陵墓「西夏王陵」の一つから出土した、正座で膝に手を突く力士を模した石製台座。一辺70cm弱の大きな立方体状で、「志文支座」などの文言が西夏文字で刻まれている。石碑の台座だったという説もあるが証拠はなく、何を支えていたかは謎だ。西夏王陵の全陵墓から出土した11点の同様の像のうち、これだけに文字が刻まれており、歴史学者たちの関心を集めている。
 展示するのは、陵墓と同じ銀川市に位置する寧夏回族自治区博物館。旧石器時代から近代まで、寧夏の歴史を文物やマルチメディア展示で紹介する。

閩越王城博物館の万歳瓦当が見たいの巻

字も丸くデザイン
古代王国の瓦パーツ

 右から「萬歳」の文字が浮き彫りになっている瓦「万歳瓦当(ばんざいがとう)」。古代の王国「閩越(びんえつ)」の都で王城があった福建省南平市武夷山市にて出土した。瓦当は丸い瓦の先端部分で、漢代に造瓦技術が発達して以降様々な意匠のものが作られるようになった。意匠は「瓦当文」と呼ばれ、瓦の丸い形に合わせて歪めた文字などが見ていて楽しい。
展示するのは、王城遺跡にほど近い場所に位置する閩越王城博物館。遺跡から発見された瓦当や斧、香炉など600以上の文物を展示する「閩越国歴史文物特展」エリアを備える。当時強大な勢力を誇った閩越国の文化に触れよう。

長沙博物館の十二葉四竹四山紋銅鏡が見たいの巻

“山”印の鏡
戦国時代に流行

 シャープな「山」の字が四方に並ぶ古代の銅鏡、「十二葉四竹四山紋銅鏡」。1990年に、湖南省長沙市で発見された戦国時代の墓より出土した。「山」の字は、同時代の銅鏡に多く用いられた「山紋」と呼ばれる意匠。湖南省では文字が5つの「五山紋」や「六山紋」の鏡も多く発見され、同様の文字デザインになっている。この鏡は四山紋鏡の代表作と言われている。
展示するのは、15年にオープンした長沙博物館。板が折り重なったような、ユニークな外見の5階建ての館内に、約5万点の文物を収蔵している。同市の、音楽ホールや図書館なども擁するエリア「濱江文化園」に建つ。

元上都遺跡博物館の琉璃鴟吻が見たいの巻

モンゴル版“鯱”
建物を火から守る

 元代に作られた、ガラス製の屋根飾り。当時モンゴル高原南部で栄えた都、上都の遺跡から出土した。鴟吻(しふん)とは古代中国の伝説上の生き物で、龍の9番目の子どもとされている。大棟の両端に飾ると、屋根を火災から守ると考えられていた。日本のしゃちほこと同じルーツを持つとされる。突き出した大きな鼻と前歯、体のない造形で、日本のしゃちほことは印象が大きく異なる。
 展示するのは、16年5月にオープンした元上都遺跡博物館。内モンゴル自治区シリンゴル盟正藍旗南部の草原に位置し、12年にユネスコの世界遺産に登録された元上都遺跡について紹介している。

安徽省地質博物館のチャオフサウルス化石が見たいの巻

大きな眼の“魚竜”
海へ進出した爬虫類

 安徽省合肥市の巨大な淡水湖、巣湖の周辺で三畳紀前期の地層から発見された水棲爬虫類、チャオフサウルスの化石。陸生爬虫類から進化した、初期の魚竜だ。のちに出現する大型魚竜と異なり体長約70cmと小型で、海の中をウナギのように体をくねらせて泳いでいたと考えられている。魚竜は大きな眼で知られるが、化石でも眼窩の大きさが確認できる。
 展示するのは、巣湖の北西に位置する安徽省地質博物館。14年にリニューアルオープンし、従来の化石や鉱物の標本に、4Dシアターや地球を模した球体スクリーンなどメディア展示が豊富な近代的な博物館に生まれ変わった。

中国煤炭博物館の模擬鉱坑が見たいの巻

本物そっくりの鉱坑
歴史や技術歩いて学ぶ

 中国煤炭博物館の地下に広がる、鉱坑を模した空間。およそ800mの通路を辿ると、「古代の炭焼き場」「運輸坑道」「地質トンネル」「採掘場」ほか8つのポイントを観覧できる。石炭採掘の歴史や技術を、坑道を探検するような気分で学べ、子どもたちにも人気。写真は「運輸坑道」のもので、トンネル内の線路に置かれた移動用の列車を間近で見ることができる。
 山西省太原市に位置する中国煤炭博物館は、「石炭」に特化した博物館。石炭の標本や坑道で発見された化石、文物、壁画などを展示する。1989年に開館し、国家一級博物館、国家AAAA級旅遊景区に指定されている。

貴州省民族博物館の儺堂戯面具が見たいの巻

鬼のような怖い顔
ミュージカル用マスク

 大きな目とキバを持ち、頭からは2本のツノが生えた鬼のような顔の仮面、儺(おにやらい)堂戯面具。儺堂戯とは、貴州省とその周りの地域に伝わる仮面歌劇で、古代の祭儀にルーツを持つ。この鬼のような仮面は劇「開山猛将」に登場する重要な役で、邪気を払うといった活躍をする凶神のもの。怖い見た目の顔にも納得だ。
 展示するのは、貴陽市南明区の街中に位置する貴州省民族博物館。中国西南地区の18の民族に伝わる習俗文化を、服飾や楽器、祭具など1万5000点以上で紹介する。儺堂戯面具を含む仮面は、写実的なものから抽象的なものまで500点以上を揃える。

杭州博物館の青銅人物燭台が見たいの巻

貫禄の表情でともす
お供付き少年型ライト

 高さ65cm、花瓶を背負う少年を模った大きな青銅製の燭台。杭州市西湖区の旧昭慶寺跡地より1994年、整備をしていた作業員によって発見された。ロウソクを挿す植物型の燭台が入った花瓶を、少年が背負っているというデザイン。頭身や上半身のぷっくりとした肉付きが子どもらしいが、突き出た腹と穏やかな微笑みは貫禄あり。足元に獣を従えていることからも、大人物の器を感じさせる。
 展示するのは、杭州駅からほど近い位置にある杭州博物館。同市が首都であった南宋王朝の時代に作られた、淡水魚ケツギョを模した玉の飾りや青磁製の香炉も収蔵する。西湖観光のついでにぜひ。