梅蘭芳ゆかりの味を守る
3日間煮込むうま味凝縮アワビ
京劇の巨匠、梅蘭芳が愛した料理を伝える店、梅府家宴は石庫門の一角にひっそりと目印の提灯を吊るす。彼の健康と喉を支えた料理人、王寿山氏の門弟である沈林安氏が総料理長として厨房を取り仕切る。素材を生かすあっさりした味わいの楊州伝統料理を現代風に仕立てている。
提供はコース料理のみで単品メニューはなく、季節や人数、希望に応じて1000元からアレンジする。旬を贅沢に取り入れたコースは1500元からで、秋は上海蟹やアワビをふんだんに用いた料理を振る舞う。
3日間仕込む煮込アワビは料理人入魂の一品。煮汁を煮詰めて作る濃厚なソースをかけ、凝縮された貝のうま味を味わう。巨匠が舞台前に飲んだとされる鴛鴦鶏粥は〝必食〞。米は使わず、細かく刻んだ鶏肉を48時間かけて炊き上げた粥は滋養に溢れる。
梅蘭芳が喉を守るため避けた酒は軽く嗜む程度の提供に。これら給仕が話す巨匠の逸話も宴に花を添える。
予約時にWheneverを見たと伝えると別途サービス料15%が無料となる。